FAQ

 

質問と回答

試料作製関連

Q.動物組織でも固定なしで作製できますか?

A.対象の部位にもよりますが、固定なしでは成分の流出により失敗する場合が多いので化学固定したほうがよい結果が得られます。従来法で使用されていた固定法で問題ありませんが、従来法と比較して短時間で試料作製が可能ですので、まず水のみで凍結乾燥してみて、その結果でグルタールアルデヒドなどの固定を検討します。

Q.植物の凍結乾燥に使用できますか?

A.植物の場合、化学固定は必要ありませんが、内部に空気を含んでいるため凍結したとき内部に十分な圧力が生じません。あらかじめ減圧して空気を抜いて水を充てんすると収縮しないで乾燥できます。空気が抜けやすいように、剃刀などで薄く小さな試料を切り出すとよいでしょう。

Q.キノコ類は化学固定が必要ですか?

A.化学固定は不要で、洗浄してそのまま水凍結乾燥します。空気が含まれないようにしてください。

Q.試料が撥水性でまわりに空気がついていて浮いてしまうのですが?

 A.希薄な界面活性剤を使用して洗浄します。

Q.生物試料以外の水性ゲルなどに使用できますか?

A.水に浸したときに変化する物質には適しません。どのような凍結乾燥法でも水分が抜けると本来の構造を維持することはできませんが、変化が観察対象に影響しない程度であれば本来の構造とみなすことができます。水性ゲルの場合、水分を失ったゲル骨格同士が自己結合して太くなりますが、原料組成や構造の違いは観察できるとの報告があります。凍結温度が-10より低い試料は本機で処理することはできません。


製品関連

Q.大きな試料をそのまま処理したいのですができますか?

A.水の量が増えると冷却速度が遅くなるので試料の大きさには制限があります。水の深さは1mm以下との制限があります。小さな試料を剃刀などで切り出して処理してください。

Q.t-ブチルアルコールを使用しても大丈夫ですか?

A.揮発性の薬品を真空排気するとロータリーポンプのオイルが劣化しますので、何回も使用した場合オイル交換が必要となります。また、FD6510は水のみを排気することを想定して設計されています。ポンプの排気ガスは室内に放出されますので健康への影響が懸念されます。水以外は保証の対象外です。

Q.冷却装置を購入しないで液体窒素で凍結できますか?

A.可能です。液体窒素温度まで冷やされた冷却ブロックを試料を含んだ水の表面に接触して凍結が深さ方向に進行する時、生じた氷の下面の温度は0ですから氷の中に過大な温度差が生じて氷が割れて試料が壊れることがあります。水を冷却することによって冷却ブロックの温度が上昇し、生じた氷の中に過大な温度差が生じないように、冷却ブロックは-100で最適となるように設計されています。液体窒素で金属を冷却し、その上に冷却ブロックを乗せて間接的に冷却します。金属と冷却ブロックの間に熱電対を挟んで温度を管理してください。